最近、なかなか本を読むことができなかったので先週末に何冊かまとめて読みました。読書復帰戦の最初には、ページ数の少ない
島田紳助 著
「ご飯を大盛りにするオバチャンの店は必ず繁盛する」
です。
超人気タレントである、島田紳助氏(以降 敬称略) を見ない日はありません。そのタレント性に好感を持つ方、持たない方がおられると思います。私は、好きなタレントさんです。
何故好印象なのか?
とこの本や、「ニッポンを繁盛させる方法」を読みながら、司会のTVを見て一つ思い当たることがあります。
島田紳助は例えるなら
クラシックである。
と、私は感じています。あらかじめ音色と役割が決められ、楽譜がひかれたクラシック音楽のように、彼の話術には、常に1本のストーリーがあります。そしてセオリーもある。もちろん、主旋律は彼です。
「彼にこういうフリをして、彼女がこう言って、こうオチる。」
という、彼主体の明快なメロディ(ストーリー)があるので、視聴者はその流れに身を任せれば面白いことになっている。という安心感を感じるのだと思います。かといって、アドリブを否定するものではないし、島田紳助がアドリブに弱い、と言うものでもないです。島田紳助は、アドリブ芸にも即対応し守備範囲も広いが、人間としての、
「予定にない存在」
には厳しい人なんじゃないかと思います。また、並々ならぬ努力の人だと思います。
私は、即興性のジャズも好きだし、クラシックも好きです。ただ、
「メロディがはっきりしないのは、あまり好きじゃない」
ということは、私の確かな価値観です。そういう点で、明快な島田紳助のトークが好きなんだと思います。
さて、前置きが長くなってしまいましたが、「ご飯を大盛り・・」についてです。この本では大きく、
・超合理的な考え方と超差別化
・顧客満足度=従業員満足度
・結局は、自分が仲間も含めてどう仕事を楽しむか。
そのために自分がどうあるべきか。
ということについて書かれていると思います。他人を納得させるストーリーを書くこと、揺らぎ無いセオリーを持つことは、ビジネスにおいて必ず必要なはずです。ガバイバァチャンのような温かい文章とはまた違いましたが、明快な本でした。
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ここで僕がいうビジネスはあくまでサイド・ビジネスだ・大儲けしようと考えている人には、僕の話はあまり参考にならないかもしれない。
p.10
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とのっけから、小さいビジネスに特化した内容と書いてありました。確かに大企業と、小さい企業なら、やらなくてはいけないことやできることは現実として違ってきます。しかし、根底的な考えは同じはずです。
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結局のところ、人に何かを買ってもらうということは、人の心を動かすということだ。
p.9
自分のアイデアが、現実の世の中に通用するかどうかを確かめてみたい。
p.10
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成功を目指すということと、失敗できないというプレッシャーは、よく似ているようで実際は180度の方向性の違いがある
p.17
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私も、経営をしていく上で絶対に心がけていることがひとつだけあり、『負けない経営』です。勝たなくても、華々しくなくてもよいから、負けないこと。むしろ言うなら、
「戦わないこと」
が大事なのではないかと思って、経営しています。ここまでだと言葉足らずなので、「負けないこと」「戦わないこと」に関しては別の機会に書きます。
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業界の常識というものには、一般人から見れば不合理な、理屈に合わないものがたくさんあるのだ。常識はずれのビジネスをしている人は、例外なくきわめて合理的な考え方の持ち主である。別の言い方をすれば、彼らが変な人に見えるのはあまりに合理的で筋が通っているからだ。
人と違うことをするのは、たとえ誰も認めてくれなくても、合理的に考えて自分はそれが正しいと信じるからなのだ。常識はずれのビジネスをやろうとするなら、まず第一に、モノゴトを徹底的に合理的に考えなければいけない。
p.25
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顧客満足度を上げるために、従業員満足度を上げるという考え方だ。
p.31
人は自分の幸せのために働いているとき、肉体的にも精神的にも一番力を発揮できる。
p.39
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1つだけ言えるのは、根本のところで、みんなが幸せにならなきゃ意味がないということを、経営者がいつも真っ先に考えているかどうかだ。
p.35
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人はみんな自分のためなら力を出せる。だけど他人のために力を出せる人間は少ない。
p.115
「申し訳ないけれど、僕はお金のためには頑張れない。」そこに、スリルや喜びや、仲間と何かをする楽しみがなければどんなにお金が儲かろうが僕には興味はない。
p.141
ビジネスも儲けることを目的にしたら、上手くいかない。目先の儲けばかりが気になって、視野が狭くなるからだ。目が狂う、判断が鈍る。
p.142
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上の要約の根拠となる文章を、ざざっと引用させていただきました。もっと響く文章もありましたが、それは読んで感じてください。明るい口調で、熱いメッセージが伝わる、やはりどちらかと言えば、小さい会社向けの本でした。
なお、ここまで言ってなんですが、私は決して島田紳助LOVEではないです。むしろ彼のTVはあまり見ないほうかもしれません。島田紳助が経営する心斎橋のレストランや石垣島のカフェには
「元気なうちは、絶対に行かん!!」
と決めています。考え方に共感するのと、お客さんになるのは別物です。行く時は仕事で行きます。アマノジャクだ。
ちなみに、私のオススメ番組は、「たかじんのそこまで言って委員会(関西ローカル)」。東京で放送されないのが残念です。
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ストーリーを書く人間
2008.04.08 カテゴリー: コメント
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