2つはニュアンスが違います。
なぜ〜でない?
なぜ?
というところでしょうか。さて、派遣法改正が進みだしています。
先日、SMBCコンサルティングで派遣法動向に関するセミナーがありましたので参加していました。その資料から元に書きます。
今後、中小企業でも労使双方は対立ではなく、お互いの責務の明確化、順守化が進むでしょう。それができない、労務権利を疎かにする企業は認識を改める必要があります。
改正案要綱のポイント
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1:登録型派遣の原則禁止
2:製造業務派遣の原則禁止
3:日雇派遣の原則禁止
4:均衡待遇
5:マージン率等の情報公開
6:違法派遣の場合における直接雇用の推進
7:専ら派遣・グループ企業派遣の規制
引用元:北浜法律事務所作成のテキスト p.15
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さて・・・私の意見と当社状況を書きます。
1・・・少数ながら行っています。猶予期間は最長5年です。
2〜3は行っていません。
4・・・必ずしも均等にする必要はありません。厳しい選抜を乗り越えて入社した社員は優遇すべきです。賃金を階層にして、今までの歴史と、現在の仕事の高評価低評価に応じた待遇を行えばよいのです。その結果、同じになる可能性はあるでしょう。ただそもそも、「責任の大きい仕事はハケンさんには任せられない」ということでハケンを使っている部分もあるでしょうから、同一業務の定義が先です。
5・・・創業当初からの基本ポリシーです。
7・・・専ら派遣は行っていません。独立系です。
さて・・・
6:違法派遣の場合における直接雇用の推進
これがSI業界に一番響くでしょう。早ければ半年後ごろには開始されます。既にロウキもチェックに動き出しています。
「それって本当に、専門26業種?」
「それって本当に、請負?」
違反の場合、派遣先(請負発注元)は派遣労働者(請負で働く労働者)を
「労働契約があったもの、あるもの、とみなす」
として雇用義務が発生します。
つまり派遣先(請負発注元)には、今まで避けてきた雇用リスクが発生し、派遣元は、せっかく登録・採用・自社で労務管理をしていた人間を合法的にスカウトされてしまいます。今後、はびこってきた多段請負はどのような形で法と向き合うのでしょうか?
そこで、Why?Why not?
「派遣、派遣と言っていますが、なぜ派遣会社が必要なんですか?」
必要な労働力調整、雇用リスク、労務リスク回避、労務管理コスト回避・・・いわゆる派遣会社が担ってきたモデルは終わりを迎えます。事前面接云々など、現場で名称を変えてどれだけ行われてきたことか。実態とかい離していることのために、優秀な方々が会議会議と。その会議コストは何人分の派遣費用なんでしょうか。
30年前のビジネスモデルなど死んで当然です。私の業は主に、IT技術者派遣会社でありながら、その事業を否定できます。なぜなら、当社の次の道が見えてきているからです。これからの時代は、
アウトソーシング or 直接雇用
です。
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■アウトソーシング
顧客から、1業務を任せられる。委託先には、完成責任がある。委託先の責任者は正社員であるべき。 (そこで委託契約書に、「検収不備の場合は委託元の指示に基づき、改善を行うこと」などとあればそれは偽装請負でいう、指揮命令下に当たるかどうかは確認しないといけません)
■直接雇用
派遣会社に”月々の労務リスク or 管理マージン”を払う必要はありません。いい人材を”紹介”してもらい(紹介費)、労務管理を”アウトソーシング”(労務管理費)すれば、派遣と同じように自社で労務管理コストを賄う必要は無いのです。
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当社は当然、有料職業紹介事業許可も持っています。今まで力を入れてきませんでしたが、いい風向きになってきました。ジレットモデルとは違いますが、少し似ています。ジレットの会長は、
「人間にひげが伸びる限り、安心して眠れる」
とおっしゃったそうです。
「ITサービスの運用も労務管理も絶対に無くならない。」
でしょう。先日顧客様と食事をしていたとき、
「雑草にも名前はあるんだよ。」
という会話がありました。好きなフレーズです。派遣元も派遣先も、正社員も派遣社員もない。
「私は、**です。」
と、雇用形態ではなく、プロとしての職種を胸を張って言えればいいのです。派遣どうこうより、今必要なことは仕事や組織そのものを考えないといけないのではないでしょうか。