しない、させない、二重派遣・偽装請負
そもそもなぜ、二重派遣や偽装請負はダメ(法令違反)なのか。
かつての日本型雇用(年功序列、終身雇用 )は終わりを告げました。いくつかのデータを上げ、傾向を考えます。
データはこちら↓のページ、仮説編へ。業界トレンドと当社予想
なぜ、ダメなの?
当社が考えるに、結局はカネ(税収アップ)です。以下の推論です。
NGなこと | NGの体面 | でも本質は | 結局は |
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二重(多重)派遣 | それは、労働者供給事業であるから。 #直接の雇用関係が無いにも関わらず、指揮命令下におくこと、多重ピンハネは人道的見地からおかしい。 |
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管理しやすい形態に労働者を置き、それを誘導することで、税収を増やしたい。 |
偽装請負 | それは、労働者供給事業であるから。 #請負契約(独立した関係)なのに、委託者が請負受託者に指揮命令可能なのはおかしい。 |
仕事において、一番大事なことは「人がどこから来たか?」「どう仕事をしたか?」というプロセスではなく、結果のはずですが、
「何度もピンハネしたら人権無視である。指揮命令したら労働者供給、偽装請負である。だから、それは法令違反だ。」
定性的でよくわからない規制です。本来は、 2段階以上の再雇用、再委託は違法、20%以上のマージンは違法。派遣労働者/外注者の割合は10%などと定量的ラインが必要です。が・・・税収を増やすためのやむを得ない解釈(解決策)なので、理由がなんであろうと法律違反は違反です。
何事にも、ウラがあります。例えば日本で大麻が違法なのも、
「常習性や影響はアルコールより少ないといわれる。が、だれでも簡単に作れてしまい、嗜好品としての徴税が見込めない」
からではないでしょうか?酒税は高いです(ビールは約40%、タバコは約60%)。また、酒税の歳入割合は1%超、それなりに大きいです。アルコールのCMがこれだけ流れる国は少し異常です。が、アメリカでは大麻が少しずつ解禁になっていることもあり、遅かれ早かれ日本も追従するでしょう。
なぜ、「偽装」が起きるのか
当社が考えるに、 オーバーストア(派遣元過剰)です。
種類 | 2018年の数 |
---|---|
派遣会社 | 約8万社 |
派遣労働者 | 約150万人程度 |
負の連鎖
つまり、「ピンハネ屋」「製造をしない人間」「管理という名の人間 」「口をきいているだけの人間/会社」が多すぎます。日本には寺、神社がそれぞれ6~8万社あると言われます。ご利益はあるのでしょうが、同様の派遣会社があるのは異常であり、増えるはマージンだけです。
派遣労働者数を派遣会社数で割ると、1社平均:20人の派遣労働者となります。
派遣会社ごとに間接部門を抱えますから、大きなロス、非生産性となっています。ただし、2018年に抵触日を迎える「改正労働契約法」「改正労働派遣法」に対応しきれない派遣会社が今後多くなるでしょう。
なぜ、レップワンは反対なのか?
人の無知や不安につけこみ、能力のある労働者や個人事業主を易く、安く使いたくないからです。両者は利益共同体として歩まなければいけない。雇用や契約は、始まりがあれば終わりもあるものなのです。その間、正しく両者が共益できる関係を築くべきだからです。
我々は不合理や収奪に対して共闘すべき、新たなスキームや市場に向けて努力をすべきであり、同列で足を引っ張りあっている場合ではありません。
賃金の源泉=利益=売り上げ–費用
費用が経費であるのか、投資であるのかバランスを考えます。
- 会社の間接定型業務はアウトソーシングを行い、人件費を抑えます。
- 自社資源でできることはすべて自分たちで行います。
無理、無駄な費用は抑えます。
- 不相応な事務所、無用な人員確保はしない、など固定費を抑えます。
- 在宅勤務の推進など、新しいワークスタイルの創出を行います。
適切なサービスを適正な価格でご提供する。レップワンの商いのポリシーです。
※改正労働契約法にも対応し、「全対象者の無期転換」を行っています。
ブラック派遣の見抜き方はこちらへ。派遣元乗り換え提案サイト
そもそも論として
当社が考えるに、強すぎる解雇制限です。現在の労働基準法は昭和22年に制定されています。戦争が終わり、再度国が大きくなる(人口、生産、取引)条件下で、資本家の行き過ぎを制限し、労働者保護のために成立しています。
その強すぎる解雇制限(一度雇ったら簡単に解雇できない)を回避するため、雇用しやすく、雇用を切りやすい労働者派遣法が1986年に生れました。もちろん、労働者が希望する柔軟な働きかたを支援していることも事実です。当初、派遣可能業務は13業務に限定していましたが、1996年には26業務に増えました。現在は「この業種は派遣禁止(港湾、建設警備、医療、士業など)」以外は全職種に派遣可能です。
2015年に派遣法の改正が行われ、以下の実施 / 努力義務が発生しましたが、そもそもそれは派遣元会社や派遣先企業が行うことではなく、労働者自身の努力が一番奏功するはずです。
- マージン率開示
- 直接雇用推進(派遣元、派遣先)
- キャリアアップ環境の準備
- 同一労働、同一賃金
また、正規 / 非正規という身分区別は、人間の選民意識というエゴの表れですから、相手への
- 能力に対する敬意
- 働き方や環境に対する寛容
という価値観が根付かない限り、派遣差別はなくならないでしょう。人口減、国力の伸びがない中、国内、国民内でピンハネしあい、争っている場合ではないのですが・・・。
※当社は派遣労働者への福利厚生面などでの一切の差別はしていません。
労働者は自分の頭で、ちゃんと考えるべき
主権は自分にあるのです。「ブラック企業」などと嘆きながら、なんの身にもならないつながりや時間対価を求めているのは結局、自分が原因です。この国の学校では、「カネを稼ぐ方法」「想定外への対処方法」は教えてくれません。不平不満を言うより努力と行動をすべきなのです。
「あれ?おかしいな?」
と思ったら、「社外の人」に相談し、解決への一歩を踏み出しましょう。「染まった社内の人」に相談して解決するわけはありません。彼らを変えようとすることも無意味です。今夜の同僚や上司との飲み会に答えはありません。ちゃんと自らの頭で考え、行動することができるあなたを必要とする、まともな他の企業はたくさんあります。
後ろ向きな議論はしないでいい。
個人が組織を必要とした後、組織が個人を食らいます。本当に自分が必要なこと、やりたいことは何か、もう一度考えましょう。組織に食われる人生で楽しいでしょうか?結局、「手段か結果」のいずれかでしかないはずです。
必要ポイント | 内容 | 必要なこと |
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手段 |
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知識、経験、信頼、協力 |
結果 |
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テンポラリーからプロフェッショナルへ
中小企業庁のデータによると、2016年の企業数は約382万社です(出展※1)2004年の企業数は435万社程度で、約10%企業数は減っています。
※2016年の内訳
- 大企業は1万社、残りが中小企業、個人事業。大企業の割合は0.2%。
- 従業者数は全体の従業員数4,794万人、大企業は1,433万人、中小企業は3,361万人 0.2%の大企業に従業者の約30%が集まっている状態。
また、経済センサス(※2)のデータでも出向・派遣従業者の割合は特に「情報・通信業」が多いことがわかります。
出展
※1:中小企業庁 調査室 https://www.meti.go.jp/press/2017/04/20170421001/20170421001-3.pdf
※2:経済センサス 概要 https://www.stat.go.jp/data/e-census/2014/pdf/kaku_gaiyo.pdf
ただ、このように調査主幹がバラバラの統計を見ても「現実」を表しているとは思えません。あなたの周囲の派遣、外注の割合は1割でしょうか?平均値では測れないコトがたくさんあります。情報通信の発達は、情報を結び、会社と社会のダウンサイジングとを進めます。IT導入によって仕事効率が向上し、経験+知識の共有が簡単になりました。そういう時代だからこそ、企業の社員は「誰がやっても同じ仕事」ではなく、「私だけの付加価値」を追求する必要があります。
派遣先企業は、人件費を抑え、ピンポイントでの業務支援を求めています。よい人であれば、正社員として雇用したいと考える企業もたくさんあります。
派遣労働者は、自分の能力が一番活かせるところで働くことを望んでいます。ゆくゆくは正社員として活躍したいと思っている人もたくさんいます。
派遣元企業は、上の二者をうまく調整することが使命です。
そこで聞きます。
あなたの仕事は、今の仕事は、天職ですか?適職ですか?やらされ職ですか?
気持ちと成果はプロフェッショナルですか?あなたにしかない価値を生み出していますか?
派遣だから、といって気を抜いてはいけません。自分を低く見る必要はありません。自分で選んだ環境に、本気で向かいましょう。プロを目指すのです。
仕事の選択 は 人生の選択 といっても過言ではないくらい重要なことなのです。1日のうち、通勤を含めると半日以上を仕事のために費やすことでしょう。それだけの時間を費やすのです。
毎日の仕事で、誰でも代わりがきく仕事 より 私にしかできない仕事を送ることが大事なのです。
適正な再委託のポイント
労働者の不適正な就労実態についてそれぞれ解説します。不適正な状態(二重派遣や偽装請負など)はケースによって、職業安定法施行規則第4条に基づき、労働者供給事業と判断されます。 労働者供給事業は法令違反。職業安定法第44条違反であり、同第64条の罰則が適用され、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられます。また罰則は、請負企業だけでなく発注元の企業も適用されます。
※大阪労働局需給調整事業部パンフレットから抜粋
就業場所の独立性
受託者の労働者と、発注者の労働者がお互いひとかたまりにまとまっており、間仕切りなどで客観的に区別できる状態であること。
二重派遣の禁止
他の派遣会社A社の派遣労働者DさんをB社がC社に派遣し、その指揮命令関係になることは法令違反。労働者派遣法では労働派遣について、「自己の雇用する労働者を」と定めており、他社の派遣労働者を派遣することは労働者派遣ではなく、労働者供給に該当する。
業務遂行の独立性(偽装派遣の禁止)
受託会社A社の労働者に対する業務の指揮命令、時間管理、勤怠管理、技術指導などをC社が行っていないこと。
C社が履歴書・経歴書などの提出要請や面接などを行い、A社の労働者を選定することがないこと。
再委託の明確化
下請会社A社と雇用契約関係にある労働者Dさんが、発注元C社の指揮命令関係になることは法令違反。契約書などにB社からA社への再委託する場合の規定があり、その規定どおりの手続きが行われていること。またC社は、B社とA社の再委託(再発注)を承知し、A社の労働者とB社の労働者を区別できること。C社とB社との委託業務のうち、さらに、B社とA社によって行う再委託業務の内容、成果物などが契約書等で明らかにされていること。
偽装請負
A社が委託契約を行った個人事業主Cさんが、発注元B社の指揮命令関係になることは法令違反。個人事業主とA社が労働契約、A社とB社が派遣契約であれば、指揮命令可能。