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人が人を呼び、仕事が仕事を呼ぶ会社

数字を知る

ハケンの次章


我々の繁栄は、虚栄・虚構だったのか。


21世紀も20年を過ぎ、20世紀までに設計されたシステムの岐路がいろいろと露呈しています。それは責めるべきことではなく、「想定していなかった事態」「想定していたが、臨界点を超えた。」ことなので仕方のないことです。

国内で…

  • 市場化(モノ・コトのポイント化、相対比較。その結果の寡占)
  • 道徳化(こうあるべき論が先行し、自分を棚に上げた不寛容なムード)
  • ノーリスク化(誰からもとがめられない、全選択を盛り込む行動原理)
  • 社会保障(健康寿命と余命、他人に生かされる命は美徳なのか)
  • 法化(なぜ、前時代に設定された上位法、既存法を変えないのか)
  • 官僚化(役人が手続きを複雑化、多重化するため、理解できるのが役人だけとなり、市民は容易に利用できない)
  • 劣化(個人ごとに考える文化、生き方を失い、作為的トレンドや悪徳/既得上位者からの盲従に終始)
  • 商品化(やたらと高感度を喧伝するが、結局は欧米コンプレックスの没個性)
  • ファッション化(メディアやネットで話題になったとたん、真偽も考えずに追随する大人、抑えのきかない痛い中年の増加)
  • 国の老化(2040問題)

国外で…

  • 温暖化(地球上の人口が、この50年で倍にもなれば当然)
  • 化石燃料(あと40年、あと40年、はいつまでか)
  • グローバル化(民主化>自由化>市場化)
  • 寡占化(格差はあるが飢えはないという形式的正義か、実質的正義か)

我々は、数字や歴史を客観的に見て、冷静で賢い行動が必要です。メディアや政治をうのみにして、それだけが事実だと考え、行動することを放棄したヒトは、愚民以外のなにものでもありません。

「いつか」は永遠に来ない。「あの時もし」は、ない。

そろそろ現実と数字を見て、行動を変えるべき時ではないでしょうか。

1.日本のGDP:何かがおかしい?

各国のGDP比較です。この国は30年変わっていません。「手段(仕組みや意識)を変えない」のに、「結果が変わる」わけはありません。「マネしあい」「奪いあい」「慮りあい」で我々は疲れていないでしょうか。当然、国ごとに問題は抱えているはずです。が、何かおかしくないでしょうか。かつての「枢軸国」と「連合国トップ」で比較してみると、「減っているのは日本だけ」と読み取れます。

参考資料:平成30年度国民経済計算年報参考図表(国際比較等):(https://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/kakuhou/files/h30/sankou/materials_j.html)

2.2040問題:弱すぎる認識、甘すぎる推測

将来のひずみは、これからさらに我々の生活に響いてくることでしょう。

人口
2020年現在、約1億2400万人。毎年90万人減っている。2040年には人口は約1億600万人程度へ。
高齢者(65歳以上)の割合
2019年:28.4%(過去最高)
2040年:36%、約4000万人、うち85歳以上が3割
高齢者を支える人口(労働人口の減少)
労働人口は、2019年の6,600万人から1,000万人減る
その財源(税金)と支出のアンバランス
  • 財源:消費税、社会保険料(一種の税)の負担増
  • 支出:社会保障費(2040年は2019年の1.6倍必要)
街・インフラの老朽化と保守の限界
相続放棄による空き家の増加による荒廃、1960年~90年に建造された施設、公共インフラの老化劣化への対応財源と労働力がない。

こちらの 厚生労働省の難解な資料 でも、問題と解決案の提示はしていますが非常に楽観的な読みでしょう。中年・老年のつつましさと若年の敬い、つまり世代間のゆずり合いがない限り断絶の溝は広がるばかりでしょう。

参考資料:総務省統計局(https://www.stat.go.jp/data/topics/topi1211.html)

3.平均余命:死ねない時代

平均余命が伸び続けています。

かつて、平均余命が短かったころの理由は「長生きできなかったのはなく、幼少・若年期によく死んだ。」からです。 栄養が足りて薬が多い現代は「なかなか死ねません」。「一人が死んだら悲劇だが、百人が死んだらニュースだ。」という言葉通り、一人を助けようとする行為と、人類の運命にあがなう製薬、開発、延命行為は同義ではありません。後者は市場 / 経済行為です。

医療技術の発展はありますが、倫理開発は止まっていないでしょうか。 「だれでも、どんな状況であれ、生き延びればいい。」のでしょうか?そこに個人の権利はどこまで認めるのか。「あなたのため」の活動は「大きなお世話」ということも往々にあります。「100歳まで輝ける時代を。定年延長を。」というキレイゴトの本意は、「死なないから、財源が足りないから、生かせ、働け」です。

無論、アーリー or セミリタイアできる超富裕層には関係のないことです。私権が強い我々日本人は生きる権利とともに、死ねる権利も他国に先んじて認めてはどうでしょう。実際、今の若者には長生き願望が少ないように感じます。

参考資料:厚生労働省(ページ13)(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life18/dl/life18-15.pdf)

4.自殺者数と率:肉体を病んでもすぐには死なないが、心を病むとすぐ死ぬ。

警察庁の発表数です。が、自殺に見せかけた / 自殺で処理しなかった件数があるので実態はさらに多いでしょう。隣国と同じ「儒教的な生きにくさ」がある環境ですが、資本的に豊かであろうはずの日本の数値は高いままです。当事者が、自己解決の手段として選ぶ自死について他人がどうこう言うものではありませんが、一つの指標にはなるでしょう。また「どこの国でも男のほうが率が高い」のは興味深いもので、競争にさらされた孤独の結果でしょうか。

参考資料:WHOレポート(https://apps.who.int/gho/data/node.imr.SDGSUICIDE?lang=en )
厚生労働省レポート(https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/jisatsu/17/dl/1-10.pdf)

5.出生数と大学数の推移

子供が生まれる数は1973年の210万人をピークに半分以下になっています。なのに、大学数、特に私立大学が異常に増えています。
何が起こって、何を考えているのでしょうか?

参考資料:出生数:総務省統計局 統計年鑑 平成31年(2- 1 人口の推移B)https://www.stat.go.jp/data/nenkan/68nenkan/02.html
大学数推移:文部科学統計要覧(平成31年版) https://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/002/002b/1417059.htm)

どこそれ?なにそれ?という学校、教育ビジネス

奇妙なことに日本ではなぜか、「学位(学士 / 修士 / 博士課程)」は重視されず、出身校名と所属会社が偏重されます。先の項目でみたように、出生数=生徒数が減っているのに私立大学が増えています。私立=教育ビジネスです。「私利私欲による教育」「安易な規制緩和」が社会の見えない天井と階層を生む土壌になっているかもしれません。

1.増える公立大学
地方における活性化の一つとして公立大学の設置が目立ちます。公立大学は地方自治体が設置者となり交付金も総務省の管轄となります。また、行政区内で開設をしたが経営が立ち行かなくなった私立から公立への吸収も起こっています。
2.女子大、短大から共学、四大への移行
私立の大学数増は、短期大学からの四年制大学への移行、併設女子=短期大学でなくなったのもその一因であるはずです。
3.医療、福祉、看護系の新設
旧来は専門学校の領域であるところの医療系、福祉系、看護系が新設大学に多いようです。当然、専門学校を所有する学校法人グループが設営しているところが多く、超高齢化社会に伴う社会保障が課題となる中で有資格者の養成が急務であるとのことから、養成校開設の規制緩和が行われたの主たる原因でしょう。本来の大学(University)ではないところも、大学を名乗っています(次項:各国比較参照)。
4.世間体と学生の在籍期間
世間では、大学院>四大>短大>専門学校 の順で就職に有利という価値観があり、この並びで学費や受験料が高額となっても違和感はありません。当然、教育/学校ビジネスは利益が多い方へ向かうでしょう。学生の在籍期間が長いほうが儲かるからです。
5.設置基準の緩和
「認可」から「届出」へと基準を緩め、「市場原理の下で、供給と消費の自由な選択と自己責任に委ねる」という流れにのっています。
6.奨学金
年々高くなる授業料にあわせるように支給額を増加させています。奨学金が教育・学校ビジネスの補助エンジンになっていることは間違いありません。

本ぺージには識者意見を加えています。
参考資料: 規制緩和の基本的考え方(https://www.kantei.go.jp/jp/gyokaku-suishin/2jikenkai/100souron.html)
奨学金: 文部科学省(https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shougakukin/main.htm)

ココロの貧困の潜在的原因はなにか。

名も知れぬ大学という名の単科学校、カタカナ学部、芸術大学で、若者が夢を追いかけ、友と輝ける青春を過ごすのはいいことでしょう。が、そのあまりに高い授業料と豪華設備で、

技術を教わった。知識も知ったらしい。

が、

カネの稼ぎ方は知らないし、将来につながる魅力的な求人の枠は埋まっているか中年が寡占している。

で、

競争という厳しさにも耐えれない。将来に夢を描けない。そして、奨学金(学費ローン)だけが残った。

は、当然の結果です。入口はあるが、本当の出口がない。卒業は出口ではありません。

また、外国に出ようにも「日本語しかできない」人間は「日本でしか働けない」「国内 / 海外での下層労働」ということになります。その結果「日本人であることだけが誇り」といった歪んだ優位意識が他人や他国への余裕をなくした社会行動の原因になっていないでしょうか。

この間にも超富裕層はその基盤を活かして稼ぎ、宿命的貧困との差は開くばかりです。奪い合う社会は健全といえるでしょうか。

6.各国比較:なんちゃってホワイトカラーを量産する日本の単線型教育

日本の教育システムが量産する「ホワイトカラー」によって、過剰供給 / 過当競争が起こっています。単線型(このルートしかない)、一部の悪平等(みんなで一緒)の結果、「希望者は誰でも大学に入れる」という全入時代が起こり、その数の論理から第1次、第2次産業への不当な扱いをしています。本来、労働力という資源は

  • 配備・・・Allocation
  • 配布 / 補充・・・Distribution

という戦略によって臨機応変に計画的、適切に投資するべきなのです。
多すぎるホワイトカラーが、付加価値のない仕事に終始(プロセス)すると、以下が発生(結果)します。生産性が悪くて当然です。

  • 商流の多重化(中抜き・ピンハネ)
  • 仕事の複雑化(かかわる人間がムダに多いので合意形成の手間、業務設計の複雑/過剰化)
  • 実入りの減少(同じビジネスモデルで出来上がったパイを、多い人数、会社で分け合う)

【各国の大学入学率、大学入学の仕組み、学費例】

大学入学率 大学数 特徴
日本 約57% 782(国立179、私立603) 異常に私立が多い。儒教的な年長 / 体育会系文化が貴ばれる。
ドイツ 約36% 428(国立295、私立133) 10歳から進路選択(①企業に若年就業、②職人、③大学進学=ギムナジウム進学)。
フランス 約53% 98(国立71、私立27) バカロレア、2021年の改革には40,000人の高校生との協議を行った。
UK 約63% 162(公立161、私立1) 国立だが学費が約130万円(日本は約80万円)学士課程は3年で終わることが多く、修士課程は1年。「パブリックスクール」は私立の中等教育学校を指す。
US 約74% 3,004(州立710、私立2,294) 中学・高校・大学に飛び級制度あり。私立大の学費は250万円~名門は倍以上することも
中国 約43%
(2016年)
1,237(公立813、私立424) 「高考(ガオカオ)」の成績如何で入学できる大学が決まる。
日本以上の競争・学歴・経歴重視社会。またそれを隠さずに自慢し合う文化。

参考資料: 「諸外国の教育統計」(https://warp.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/11293659/www.mext.go.jp/b_menu/toukei/data/syogaikoku/1415074.htm)
P26(https://warp.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/11293659/www.mext.go.jp/b_menu/toukei/data/syogaikoku/__icsFiles/afieldfile/2019/04/05/1415074_(0)_1.pdf)
文部科学省『教育指標の国際比較』(平成24年版)(https://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/data/kokusai/__icsFiles/afieldfile/2013/02/05/1318687_3_1.pdf)

7.上がらない賃金?:印象操作を読み解く力を

下記2つの出典資料を参考に、メディアで喧伝される数値について「平均のジレンマ」を考査してみます。

よく言われていること 考査
日本の、平均賃金は430万円? 印象操作です。人口が減っているのに給与所得者数が増えているということは
  • 定年後に年金だけでは生活できない老人
  • 離婚などで働かざるを得なくなった女性
    (日本は男女とも結婚後の主婦願望が強すぎるようです海外では働いて当たり前。)
  • 介護、飲食など付加価値、構造的に低賃金にならざるを得ない産業への従事者
  • 非正規労働者
などが増えたからでしょう。それらの低所得労働者が増えれば当然、平均値は下がります。またこの統計は「全国平均」であり、「低いであろう地方の数値」「低賃金の若者」「相応に高い中年」も入っています。
賃金は10年上がっていない? 平均給与の、(第5表)を見る限り、男女とも平均賃金は上がっています。しかしこれは、「市中のカネ」が増えたことと考えられます。つまり1円の価値は昔より今のほうが低いのです。物価指数(CPI)と絡めて考えなければなりません。

問題の本質

問題の本質は「分け合わない社会構造」「社会のパイが大きくならない産業構造」です。Youtuber、アニメ、漫画、ゲーム、アイドル、などに代表されるコンテンツビジネスは一部のコンテンツホルダーは儲かりますが、全体を支えることはできません。

レールに乗った人間と組織が付加価値もない仕事を延々し、収益を川上で抑える限り、川下の水はまずい、少ないままです。

8.都市集中:付和雷同の国民性

日本の都市圏は、地方を食らって生きてます。世界的に今も人口密集を止めないのは、この国と隣の国ぐらいでしょう。

下表の通り日本では東京圏と大阪圏で全国人口の半分以上を占めているのです。これは喜ぶべきことでしょうか?そこに人間らしい生活はあるのでしょうか?

「誰かが行くから私も。」

という国民性が招く連鎖は歴史的なイベントが起こらない限り絶てないでしょう。世界の都市圏人口などを比較します。

都市圏
(首都圏)
都市圏人口
(万人)
国面積(km2) 国人口 都市圏人口 /
国人口
左の順位
東京+近郊県 3,850 日本 38万 1.25億人 30.8% 53.2% 2位
大阪+近郊県 1,700 13.6% 5位
名古屋+近郊県 1,100 8.8% 7位
ニューヨーク 2,100 US 970万 3.3億人 6.3% 9位
ロンドン 1,100 UK 24万 6,700万人 16.4% 4位
パリ 1,100 フランス 55万 6,500万人 16.9% 3位
ベルリン 400 ドイツ 36万 8,400万人 4.7% 10位
ミラノ 500 イタリア 30万 6,100万人 8.2% 8位
上海 2,200 中国 960万 14.3億人 1.5% 11位
ソウル 2,450 韓国 10万 5,100万人 48.0% 1位
ジャカルタ 3,450 インドネシア 210万 2.7億人 12.7% 6位

参考資料: Demographia(http://www.demographia.com/db-worldua.pdf)

9.国土の特性:山の向こうは他国、内側こそすべて

日本の森林率は突出しています。国土の特性は国民性に表れます。海と山に囲まれ、隣国、隣村の様子がすぐにわからない。我が美田を愉しめることでしょう。しかし、欧米や中国などで見果てぬ地平を見た場合、「見知らぬ誰かが丘を越えてすぐにやってくる」という恐怖が、侵攻 / 自衛主義を作りました。

我々が、「森と湖、ムーミンの国」とあこがれるフィンランドと森林率はたいして変わりません。
でも、ムーミンの代わりにこの国には、「奇妙なキャラクター」が行政区やカイシャごとにいます。

このおっとり内向的なメンタリティとセンスで、グローバル社会との共存はできるのでしょうか。
高度成長期は人口増=内需増によって国内での製造も担保されていました。が、グローバル時代によって他国製造への進出、競争に入った結果、かつての開発・拡大から維持運用 / 縮小に転じるのは仕方ないことです。
今後はコンパクトシティ、スローシティ構想など、私権の抑制と、愉しみ方の転換が大事な局面にきているのでしょう。そろそろ自国民同士の見栄の張り合い、削りあいをやめてはどうでしょうか?

高級時計を買っても時間は増えないし、宝石や豪邸でも飢えはしのげません。無論、カネで解決はできることが多いのですが、そのカネはピンハネによる同胞の誰かからの搾取かもしれません。

森林率 左の順位 国面積(km2) 森林以外の土地
(km2)
左の順位
日本 69% 1位 38万 11.8万 8位
US 34% 4位 970万 640万 1位
UK 13% 9位 24万 21万 6位
フランス 31% 7位 55万 38万 4位
ドイツ 33% 5位 36万 24万 5位
イタリア 32% 6位 30万 20万 7位
中国 26% 8位 960万 710万 2位
韓国 63% 2位 10万 3.7万 10位
インドネシア 48% 3位 210万 109万 3位
フィンランド 73% - 34万 9万 9位

参考資料: グローバルノート(https://www.globalnote.jp/post-1716.html)

10.穢れを嫌う国民性:宗教施設の多さ

この社会は自らの行為を棚に上げ、他人の失敗を糾弾しすぎではないでしょうか?成果が出ていればおおらかに寛容しあえばいいのに、一つの欠点や失敗のつるし上げを好みます。さらに現代では匿名によるSNS投稿がかつての扇情メディアとなっています。この国の民は、

「どうでもいいこと。」

への寛容性が低いのです。その結果、周囲への「ゼロリスク信仰」「(どうでもいい)穢れへの過剰忌避」が起こります。本当に肝心なのは何かが起こった後の

「ダメージコントロールの想定 / 計画」

という冷静、具体的で論理的な思考と行動であるはずですが、感情的に自ら首を絞めあっているのです。

そこで、穢れ忌避や刷り込みの例として、奇習とも言える信仰スタイルをあげます。下記は宗教関連施設、参拝者の数です。出典を見ていただければわかるように、「信者数が国民数を超える」という意味不明な統計ですが、おそらく宗教法人が誇張して提出していると考えられます。それも含めて、日本人の行動実態を表しているとも言えるでしょう。

宗教関係者の「ありがたいお話」は、よく考えなくても「当たり前のコト」です。誰かが作った「値打ち」は、それを信じる者がいるからです。信じる者と書いて「儲」。つまり、「儲けさせてくれるヒト=信者」のことでしょう。

種別 比較対象(全国の数)
仏教系(寺院) 約7.7万法人 派遣会社数:約3.8万
クリニック数:約10万
歯科医院数:約6.8万
コンビニ数:約5.7万
給油所数:約3.0万
居酒屋数:約54万
都道府県別数 愛知 約4600
大阪 約3400
京都 約3300
神道系(神社) 約8.5万法人
初詣数 某所(東京) 約320万人
某所(神奈川 約300万人
キリスト教系 約0.5万法人

参考資料: 文化庁 宗教年鑑 2019年版 統計(https://www.bunka.go.jp/tokei_hakusho_shuppan/hakusho_nenjihokokusho/shukyo_nenkan/index.html)
厚生労働省:医療施設動態調査(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/iryosd/m19/is1901.html)

参考資料: 文化庁 宗教年鑑 2019年版 統計
厚生労働省:医療施設動態調査

よくメディアが「イスラムの聖地 メッカへの巡礼者200万人」などと言っています。しかし、日本で一番多い初詣のスポットは300万人。世界から来る人と、日本から来る人です。「信心深いね。」となどと驚いていられません。今、神社、寺社仏閣の数は日本に10万以上。そこに巣くう利権、収益があるのです。

参拝“客”と呼ばれる人たちが行く神社は「誰か」を祀っています。たいてい為政者や貴族で、あなたの祖先を搾取していた側の人です。そこに参拝してなんの利益があるのでしょうか?その一族でない限り参拝客はまさに「客」でしかないのです。 なお、神社(神道系)は広義の宗教ではありません。なんら教義教本を保たず、単なる儀式 / 儀礼を昔の誰かが形式化したものにすぎないからです(一部、修行や教本教義による功徳を唱える組織もある)。

また、寺も神社も「本山」「神社本庁」などという民間の元締め組織があり、格付けによる俗な序列化を行っています。それらもなんら国とは関係ありません。もし関係がある場合、政教分離の原則に反します。根本的に宗教は迷信の類であることは理解しましょう。毎年の「靖国問題」も、戦没者を分祀すればいいだけですが、それも政教分離によって政治介入はできないし利権が絡んでいるのでしょう。なお、件の神社は神社本庁には所属せず独立した強力を有しています。

また、(葬式)仏教に関しても、

「あなたは、この俗名で世俗にまみれて生きてきた。が、カネを積めば死後、戒律を守った者として立派な戒名を授けよう。その位はカネの多寡による。」

「はぁ・・・。」

と、収益化がされています。墓も土地を所持する寺もしくは開発業者、墓石業者がタッグを組んだビジネスです。供養に見積書と豪華設備は必要なのでしょうか?

そもそも、仏は人間です。悟りを開いた人。如来も菩薩も、その悟りに至る上位者にすぎません。それを理解して拝観料(見たら功徳があるはずだ)を払うのは個人の自由です。しかし神社はその本尊を持たないため悲しいかな拝観料をとれません。そこで私有地にマンションを建て営利行為をしていますが、収益への納税はしているのでこれも自由です。が、このような八百万の神というめっぽうな神格化こそ「現代の平民の生きずらさ」の原因ではないでしょうか。

「客は神様」

というフレーズは昭和・平成の拡大時代にはよかったでしょう。この縮小時代、

「客は人間」

です。我々は科学の世紀に生きています。「神」を持ち出した瞬間に思考停止が起こります。
そろそろ、「古来からの刷り込み」「みんなやってるから・・」にNoが必要でしょう。

「廃仏毀釈」「神仏習合」など日本史で習ったように、宗教制度は時代によって右往左往し、聖職を名乗る者のあさましい争いは繰り返されています。上記についてどう考えるかは個人の自由です。しかし、人々の道徳を支えるのは宗教ではなく、個々の誇りや教養です。

11.ひとつの意見:自らの歴史に学ぶ。

先の戦争での指導部は、その構想や未来感の甘さ、精神論によって無実の国民の命をたくさん奪い、4年弱もの戦争、300万人以上の死者、敗戦という当然の帰結を招きました。 300万人といえば、2020年の大阪市人口(270万人)以上です。そして、彼らの責任が追及されることはありませんでした。

・戦略のミス
  • 開戦に踏み切ってしまう客観的、合理的、論理的思考なき統治システム、それを喜ぶ/騒ぐ愚民性(2020年のウィルス対応レベルも変わっていない)
  • 戦線拡大による、戦力の分散投入(一点突破の成果による交渉を放棄)
  • 戦力の逐次投入(様子見の案分投入による個別敗退)
・採用のミス
  • 兵器の標準化、簡易化をしない(製造、利用に職人的な精度を求める)
  • 最新技術導入の怠慢(戦争を有利にする武器開発を取り入れず、見た目、プライドのみの武器を製造し、時代に遅れる)
  • 間違った戦略と決定(兵学校の年次 / 成績順による、賢愚度外視の空気と声の大きさによる支配)
・運用のミス
  • 熟練者の酷使(休憩なしでの運用、疲弊、戦死による再現性の欠如)
・補給(兵站)のミス
  • 日本軍の場合、戦死者の半数以上は戦闘より飢えであったとも言われています。状況に応じた継続性、柔軟性のない愚昧な戦略設計は命にかかわります。

無能さを挙げるときりがありません。しかし上記について、

現代のカイシャがやっていること、体質にもあてはまりませんか?

広島の碑には、

安らかに眠って下さい 過ちは 繰返しませぬから

という、異常な文が彫られています。誰が、誰に、がありません。戦争裁判と執行すら他国にゆだねてしまう国民性とシステムなのです。カイシャを作るのが労働者という中身であるように、国を作るのは、国民です。独立国家であるにも関わらず、この国は常に欧米を憧憬し、周回遅れでマネばかりしています。責任の所在を明らかにしない国民性は今も続いています。

「こんなことがあったらしい。」

と歴史を年表で覚えてもなんら血肉にはなりません。同じことを繰り返すでしょう。あなたが人生を振り返った時、笑って死ねるかどうか。失笑か、満足か。それはあなた次第です。法律上はカイシャはただの紙(法務局での登記)にすぎません。

結局、バカな大人が、将来ある子供をバカにしていないだろうか。

教育をおろそかにすると、結局は自分たちに返ってきます。この国の文部行政は戦前戦後に大きくぶれてきました。

  • 命令主義 / 天皇制 / 儒教的教育などによる、そもそもの偏向、不平等、洗脳社会
  • GHQによる、戦前教育の否定、自虐史観の刷り込み
  • 日教組による、偏った教育
  • ゆとり教育による、学力と倫理観の低下

我々はどこに向かうのでしょうか。イギリスの歴史学者 アーノルド・J・トインビーは述べています。

  • 自国の歴史を忘れた民族は滅びる
  • すべての価値を物やお金に置き換え、心の価値を見失った民族は滅びる
  • 理想を失った民族は滅びる

まさに、現状に言えるかもしれません。

文化は皆で作るもの。「皆がやっているから。」という思考停止を卒業しよう。

同調圧力は結局自分に返ってきます。

渋滞で文句を言っているドライバー。渋滞原因の一つはあなたです。

ということです。我々自身がしっかりと考え、対話し、行動をすれば愚かなムーブメントは起きないのです。カイシャの採用、管理手法も同じです。せっかく作り上げてきた世界一安全で安心な国を、次のステップに昇華させましょう。

抑圧的な集団主義の中、裏面では個人行動と私権が強い日本社会。これからは個人がそれぞれ考え、主張と受容をし、集団行動(=集団益)を考えれる社会

を目指してはどうでしょうか。今ある良識を大事に、世界に先んじて自信と勇気ある決断と実行をしていくことがこれからの存在意義ではないでしょうか。

今、我々が国やカイシャのかじ取りを任せているのは、10年後にはこの世にいないであろう現役世代を終えた60~70歳を超えた老人たちです。パラダイムシフトは「完全なる世代交代」によってしか成しえないのかもしれませんが、「その時」に向けた準備、静かな変革を続けましょう。

参考資料:平原春好:戦前日本の教育行政における命令主義について : 教育規定および教育行政組織規定の命令主義

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