出張にて宿泊先の近くには「劇場」があり、「お笑いコンテスト」が開催されていました。30組以上が出ているようで、出番待ちのコンビが何組も外でビルの壁に向かって練習をしています。彼らのうちの誰がスターダムに登ることができるか。成功への方程式が無いところへの挑戦、という意味ではビジネスも一緒だな。が、成功の確率は、ビジネス界>お笑い界 のはず。
さて、Over 30が楽しめる会社というコンセプトはともかく、多感な30代へのマネジメント、リーダーシップとはなんぞや、の私にオススメの本がありました。
短期間で組織が変わる 行動科学マネジメント
50人未満の会社、もしくは10人未満のグループ単位向けの本。また、特殊的、専門的な技能や知識とは別の、部下の気付きに期待、修正していく方法論。のように感じました。
マイクロマネジメント、という言葉を初めて知ったのですが、「うわーこれって自分かもな・・」としばし思案。
文中にあるように、現代ッコがコーヒーチケットを与えたら「明日からもガンバリマス!」となるか?は疑問だったのですが、他の面では確かにそうだな。とうなずくことが多かったのでご紹介。
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ビジネスとは行動の集積だ。社員の行動がなければ会社は何ひとつ達成できない。(p.62)
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結果を変えるには、行動を変えるしかない
ビジネスが成功するかどうかは、ひとえに社員の能力にかかっている。ここで言う能力とは成果を出す能力である。成果は人の行動が生み出す結果である。したがって、結果を変えるには社員の行動を変える以外にない。(p.60)
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行動を変えることが重要だと言っても、あまりに極端なやり方は逆効果となる。マイクロマネジメントとは、微に入り細にわたって部下をコントロールする手法だ。他人の行動一つひとつに偏執的なこだわりを示し、それこそ一挙手一投足にまで干渉しようとする。マイクロマネジメントに取りつかれた上司は大きな勘違いをしている。仕事をうまくやっていくには部下全員の行動を全て管理し、厳しく律する必要があると思いこんでいるのだ。これによって成功した人はほとんどいない。マイクロマネジメントは部下の成長を著しく阻害するばかりか、部下をおしつぶしてしまう負のマネジメントなのである。(p.62)
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要するに部下たちは、こちらの望む行動ができなかったということだ。彼らはどうしてこちらの望む行動ができないのか。その理由は二つしかない。
第一に、仕事のやり方が分かっていない場合。
第二に、仕事のやり方は分かっているのだが継続できない場合。(p.67)
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結果を出すための行動を発見するのがリーダーの仕事
仕事とは、行動の連続である。社員の行動が積み重なって仕事の結果が出る。行動を変えれば、仕事の結果も変わり、組織も変わる。(p.82)
行動に焦点を当てるマネジメントでは、「結果に直結している行動」をいかに見つけるかが最も重要なキーとなる。そこに所属する人たちの行動を分析し、その中から結果に直結している行動を見つけることだ。リーダーが必要な行動を加え、不要な行動を取り除くことによって、求める結果は必ず得られる。(p.83)
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「Want to do (・・したい)」
「Have to do (・・ねばならない)」
よくできる一部の社員を大事に扱うよりも、下の八割を引き上げた方が生産性ははるかに高くなる。(p.92)
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リインフォース(R)とペナルティ(P)の仕組み
望ましい結果が得られることを学習したとき、人は同じ行動を繰り返そうとする。(p.120)
行動分析に「4:1の原則」がある。四つほめたら一つくらい罰を与える。あるいはしかる。この程度なら副作用は出ないということだ。しかし、それでも罰やペナルティは極力使わないほうがいい。
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大きなゴールの前に、「サブゴール」をいくつも用意する
行動分析には「60秒間ルール」という原則がある。部下が望ましい行動をとった場合、それに報いるのは原則として60秒以内でなければならない。(p.159)
行動分析が目指すのはどういう会社かというと、スポーツを楽しむ感覚で仕事をする会社である。(p.220)
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なるほど。特に最後の部分に共感。スポーツも仕事もちょっと似ている。できたら、楽しい。
結果を出すためには5つのステップを踏むことらしい。(p.167〜)
・ピンポイント:結果を出すことに直結するのはどんな行動か。
・メジャーメント:行動を具体化して数値化する。
・フィードバック:途中で効果を実感して、パフォーマンスを最適化を促す。(言葉にする、態度で示す、グラフ化する)
・リインフォース:強化。本人の望む結果を与える。
・評価:ビジョンやミッションに通じる行動による結果を評価する
と、一言でいっちゃえば、「超ポジティブなプロセスマネジメント」かしら。
人をマネジメントする。これってスゴイスキル。
改めて実感。もし、お笑いを志した方がこの業界に入るなら、そのユーモアセンスも強力なマネジメント能力になるでしょう。
著者、石田 淳氏のホームページ。
ゲ!オシャレ。お約束の学者みたいな人かと思っていた。