先に、石鎚山から書きます。結論としては、
「生存」、「安全」が、場合によって脅かされる状況に
身を置くことで、気づくことがある。
ということです。
私も含めた、軟弱デスクワーカーは、空調のきいた事業所内でパソコン作業や会議をしている。
よほどのことがない限り、その生存や「身体的な安全」が脅かされることはない。
ただし、「精神的な安全」は脅かされている。「ウツ病」などはその典型だろう。
かといって、ITエンジニアは人の命を預かるような職業ではない。
システム(機械)のために、命を縮める可能性がある職業だ。
今回、情報を収集した結果、「面河(おもご)ルート」から登ることにした。国民宿舎を予約するとき、
「ひょっとしたら残雪があるかもしれない。軽いアイゼンは一応持ってきてください」
と言われ、「!?」となった。 マジ登山やん。
面河峡
6:30に宿舎を出発する。
周りには誰もいない。頂上までは4時間以上かかるらしい。
「山登りはじめましてん」
というと、「なんでまた・・」みたいな反応が多い。
歩いて2時間弱で尾根っぽいところに出る。
写真右、遠くに見えるのが山頂だ。
そこで最近、いろいろなエグゼクティブの方からヒアリングし、
「エグゼクティブのための、ストレス対処マトリクス(仮称)」
の作成を試みだした。完成したら、またUpしようと思う。
さて、登山の面白み、知れることとしては、
・準備が、(とても)大事。
・判断が、大事。
・気を抜かない。調子に乗らない。下山時の事故が9割。
・一人(安全上、本当はよくない)で、いける。
・(晴れていれば)景色がきれい、それなりの(健全な)達成感。
トラバースをテクテク登っていく。
石鎚山のよいところは、
「目標がはっきり視認できること」
であろう。山頂が見えるので、進捗が楽しい。仕事でも、
目的、目標、進捗のみえない業務やプロジェクトほど、ヒトを疲れさせるものはない。
前回の、六甲縦走は「はぁ?」と試練の道だった。それに比べ、今回は快適だった。
しかし!
初心者の私には、試練の道がいくつかあった。
もし、この会社のスタッフが行くと言い出したら、
「私は全力で止める」
何かあった場合、会社としての安全衛生義務、対顧客への責任、社内戦力ダウン。etc
じゃあ、
「お前は何で行くんだ。何かあったらどうすんだ。」
ということになるが、
私の代わりは誰でも務まるだろう。売上をあげているのは、現場の彼らだ。
私以外の誰かのほうが、好成績を出せるのではないだろうか。
「私が(誰かが)いなければ、進めない会社」というのはよくない。
下山時に、2人の山ガールとすれ違った。
彼女たちは、先導者つきとはいえこの道を通ったかと恐れ入る。
かといって、安易に山に行かせるわけにはいかないなぁ、と思いながら下りていた。
つづく。