高校生の頃、Mr.エリック・クラプトンの 「tears in heaven」 という曲の歌いだしを
「I have no money」
と聞き違えており、
「んなわきゃないやろ!めっちゃ持ってるがな!」
と当時の友人と言っていた。しかし、本当は
「Would you know my name」
だった。
阿南市から北西に国道を走らせ、登山口に向かうと通行止めだった。
登山口まで4km?こういう状況は非常に困る。
今回、持っていった本は、Mr.村上春樹の
国民宿舎で読み終えた。
正直に申し上げて、彼の小説は私には難解すぎて読めない。
経営者の趣味で、
「読書です。村上春樹が好きです」
という方は、お見かけしたことがない。
またもし、公私で女性と知り合い、上記などと言う方からは後ずさりしてしまうだろう。
隠れて耽読する類のものではなかろうか。
彼の作品が海外で評価が高いのは、
「英語が書ける、読める作家の作品は、外国語に翻訳された文章を意識してモノを書ける」
というアドバンテージはあるのではないか、と思う。
しかし、現実を切り取る彼のエッセイの類はとても面白いし、「さすが」の表現力、言葉力だと思う。
私は今後も、誰の小説も読まない。ゴルゴ13は読む。
「泣ける」とか「感動大作」より、現実のほうが、ダイナミックだ。
ダイナミックに崩落している。そういうことか。
引き返すわけにもいかない。振り返ると、へぇ。だ。
登山口に、あら?人がたくさんいる。
どうやら、北側からアクセスすれば車でここまで来れたらしい。
p.122
「一人の不完全な人間として、限界を抱えた一人の作家として、矛盾だらけのぱっとしない人生の道を・・・」
に、びっくりした。
世の中のほんの、ほんの一握り、ノーベル賞をとらんかな、という世界的な作家が自らを、
「ぱっとしない人生?ほんまかいな!」
エリックさんと言い、世界的名声がありながらも、郷愁のある歌を歌い続ける。描き続ける。
禁断のリフトでショートカット。時間がおしているのだ。
剣山の頂上付近の様子。
「自己実現」
したとは思っていない。
ゴールはまだ先。だから、走り続ける。想像もできないレベルの方々なのだ。
そういう方々の一方、
「(自分の)足るを知る。」
は考えておかないとなぁ。
ということをブツブツ考えながら登っていた。