ビジネスは、登場人物(プレイヤー)+範囲(スコープ)を考えよう。
only diamond can cut diamond– only the leader knows the leader.
シェムリアップから乗った、エアアジアの機内誌に掲載されていた教育会社の広告。
ビーチにたくさんいる、1cm未満のカニ。丸いのは砂。
さて、ネット情報(他人の経験)を旅の基準にしていると、
「相場(ネットに書かれた体験談)より高くつかむのは、なんかくやしい。」
という、振り返ってみるとどうでもいい心理が働いてしまう。
100THB= 300円 × y
の違いは、短期的にはたいして影響はない(もちろん、チリツモではあるから継続的・長期的には影響がある)。
異国で貨幣価値の判断基準を変えてしまい、右往左往、逡巡している時間のほうが高くついているのだが、それも旅の面白さの一つかもしれない。
(結婚式や夢のマイホーム、車、キタでのボトルなど)
購買単価の母数が大きい場面のオプションのほうが、よほど、よほど、よほど、高い。
そう、他人は他人、他国は他国じゃないか。
Have fun. 客は、ブロイラーか。
今回、「THE BEACH」の撮影がされた「MAYA BAY」に行くために
「ピピ島 ツアー」
というのに申込んだ。この選択は
「(私の前提条件では)失敗」
だったので体験談を記す。
クラビのビーチ自体は、ゆっくりできた。
【先に結論+アドバイス】
※もちろん、皆さんの「前提条件」によって異なります。
・ピピ島にいくなら、ケチケチせずに10名までのボートをチャーターすべし。
※ロングテイルボートは乗っていないから、なんとも言えない。
特に恋人となら、2人専用(他人が乗ってこない)クルーザーをチャーターすべし。
チャーター費用も、その関係の生涯費用に比べればしれているだろう。
※現実に、マヤベイで外人のイケメン+モデルみたいなカップルがそうしていた。
・どこに行っても混んでいて、体、態度と声のデカい外人ばかりである。
「わびさび」「滅私」の文化を重んじる日本人はほぼいない。「おばちゃん」はどこの国民でもよくしゃべるんだな。
※現実、マヤベイでつつましい日本人と確認できたのは、私の他に2名だけであった。
「HONG ISLAND」とか、まだ人が少ないところも検討すべし。
・(評価基準によるが)
(日本が世界に誇る)沖縄、もしくは近辺の離島
(日本からアクセスがよい)ハワイ
のほうが、美しく、快適である。クラビのホテル周囲は静かだった。
が、たいして海・砂浜はきれいではない。砂浜が続くのがいいかな、ぐらい。
「私たち、(今はメジャーで人がたくさんの)クラビに行っちゃったよん!!」
という経験に割り切ろう。
※参考情報
TripAdviserの、アジアでのビーチランキング
去年の沖縄。白く、青く、透き通っている。
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さて・・・
ツアー催行に関わる登場人物は、
1.ツアーを、企画して集客する会社(Agent)
2.ツアーを、現場で実施する会社(Operator)
3.ツアーを、利用する顧客(User)
の3つに大別できるだろう。
1.がH.I.Sとかで
2.ANAや各宿泊施設で
3.我々顧客だ。
「**代理店」のビジネスモデルは総じて、
「2」の枠(席や品)を大量に安く仕入れ、付加価値をつけて、大量の「3」に売ること。
と定義できる。
広告代理店も基本的には同じビジネスモデルだ。新聞の広告枠は、既に広告代理店によっておさえられている。当然、「2」も自社のエージェント(ハウスエージェンシー)を持っているわけだが、
世界の電通さんのように、
・付加価値
・みんなが儲ける、マス消費が楽しむスキームを創れる
「1」が最強なわけだ。つまり、
・価値の創造力
・販売/展開力
こそが「1」の価値である。彼らは、
「日本人の価値基準」
を
「メディア」
とくっついて、創っているわけだ。広告代理というより、価値・トレンド創出代理みたいな。
彼らの基本はマージンビジネス(手数料商売)である。「2」「1」の間を取り持つビジネスモデルである。
さて、私は派遣会社を経営している。手数料商売ということには変わりない。
技術力、人間力を持った「2」を「1」に販売する。
ということだ。その点でも
派遣ビジネスは、「3.顧客」からは遠い。
ピピ島 ツアーのビジネスモデル、儲けの推測。
「2(オペレータ)」が「1(エージェント)」に卸す価格は、1,000-1,200THB
「1」は、「3」に、1,300-1,800THBで販売する。
当初、日本から「1」のサイトで申し込んだ。てっきり、「2」だと思っていた。
彼らが言うに、「1,000THBのデポジットをpaypalで支払ってくれ。」という。
ところがVISAが無い私の(ゴールドなのに)ンコチャンな AMEX は、paypalから
invalid cardと言われる始末。現地で直接電話で問い合わせると、
「デポジットが無いから予約を受けれない。ホテルか近所で頼んでくれ。」
と言われる。この時点で、彼らが「1.Agent」である確証を取った。
「なんだよオペレータじゃないんだな。」
仕方がないから予約を試みる。まずは価格調査をする。
A.1,800 THB ホテルでの申込み
B.1,600 THB ホテルの前のエージェント(ちゃんと店を構えている)の昼価格
C.1,400 THB 同エージェント(夜価格)
となった。これはどういうことか。
顧客である我々は、上記のエージェントA、B、Cが、どんな「2.オペレータ」を使っているのかわからない。
H.I.Sであれば、同じ目的地にしても値段の差には理由がある。
・ホテル / 部屋の価値
・航空会社 / 席の価値
・時間帯
・日程
・人気/実需度(=量=薄利多売/厚利少売
の差だ。今回、現時点で顧客は、
「どんなオペレータなんだ?」
という指定はできないし、知ったところで、その評価 / 価値がわからない。
「1」は「2」の特約店かもしれないし、
1,800THBを提示したA.ホテルは、B.C.とは違う「2」を指定しているのかもしれない。
が、トリップアドバイザーで、
「ホテルで申し込んだのに、ギュウギュウだった!船も揺れた!」
という口コミを見ていたので、
「どれも一緒だろ」
と、一番安いツアーを選んだ。 で、「(私には)失敗」だった。
ゾロゾロ
ゾロゾロ
段取りが悪く(悪いというか、行程の周知がないから、どうすればいいの?)となる。
詰め込まれて、ムカムカ。既に帰りたい。
まさに、すし詰め。MAX時に数えたら65名だった。
ハイ、みんなでシュノーケリング!30分!って言われてもね。
スズメダイばっかりのようだし、そんなきれいじゃないし、価値はない。間抜けな光景だ。
人間は、人と違うことを深層で求める。
北に住んでいる人間は、海に行ってやく、のが上流のたしなみ。
南に住んでいる人間は、北に行って、雪を楽しむのが同上。
という心理を思い出す。日本は南北に広いからなんでもある。
そういえば、不動産の賃貸の際では、「ブツモト」「キャクヅケ」という隠語がある。
仲介会社は、「キャクヅケ業者」と言う。その情報量とフットワークで「客から仲介手数料」を取る。
「キャクヅケ業者」にチャラい兄ちゃんが多いのもそのせいだ。
そういった「ちゃらい人間」が苦手な我々は、最低でもその物件の管理をしている、
ちゃらい兄ちゃんが少なめの「ブツモト」に直接行かないといけない。
つまり、
物件から離れれば離れるほど、手数料は上乗せされる。
我々は、「1」の付加価値(=情報開示量、ツアー評価)に魅力が無ければ、
「2」に直接アプローチしなければいけないのだ。
そこで、ツアー後に、「2」のホームページをチェックしてみる。私が乗ったのは、アオナンスピードボートツアー HPはこちら。HPでは1,500THBで募集している。当然、直売でも利益は乗せているだろう
が、ホテル前で申込んだエージェントでもらったパンフには1,800THBと書かれているのだが、上記HPから直接申し込むと、1,200THBである。バラクーダツアークラビ HPはこちら。
オペレーション会社の売上
仮に「2」が一人当たり1,200THBの売上としよう。
1日:1,200THB×65名 = 78,000THB
年間365日:28,470,000THB
「稼働日数 / 現実的な係数」として6掛けとしても:17,082,000THB
スピードボート1隻+同乗担当者4-5名+陸上の送迎 で:約5千万円強/年 の売り上げ
となる。
固定費、変動費、減価償却を考えても、タイではなかなかの数字ではないだろうか。さすが世界のクラビ。ってか。黙ってても人は来る。
トリップアドバイザーによると、「ベストビーチ in ASIA」で日本の宮古島が25位だ。投票数の違いではないか。
http://www.tripadvisor.com/TravelersChoice-Beaches-cTop-g2
異国で気づく、排斥への暗い気持ち。
沖縄や日本のきれいな海が、一部のバカ西洋人(=マナーが悪い、うるさい、必要以上なタトゥー、アジアを小ばかにしてきた歴史)に占拠されるようなことがあってはならない。
以前から気づいてはいたが、今回の旅で、一部の西洋人のマナーの悪さには改めてウンザリした。ムダにでかい。アジアの同胞として、なんか許せん。
「ここって公共の場だよね?」
普段、国内にいて日本人であることは意識しないが、海外ではタカ派になれる。国内でいちびっている日本人など、海外では大人しいものじゃないか。当然、つるむと日本人もうるさい。むしろ最強だろう。
ニッポンの観光の役所は、
「ニッポンへの外国からの観光者数」
を気にしているようだ。が、タイのように下卑なガイジンが大挙して楽しみ、その入国カウントを稼いでもどうなのか?
顧客数 × 単価 × 購買回数
が売上の3要素だ。もちろん、
・労働力の受け入れ・・・カネを払う
と
・観光客の受け入れ・・・カネを払ってもらう。
は別物だ。 日本は世界に誇る、特殊な国である。
「カネに色は無い」からよいのかもしれない。
が、私だったら、「来訪者の質」にはこだわりたい。エネルギー資源は無いが、技術資源・観光資源大国・おらが島国・反グローバルとして、
「高いモラル or カネ持ち or スマート な観光者を優遇する付加価値の高い国」
を目指してはどうか。それだけの異国への援助はしているはずだ。それは、アジアの同胞とすら敵対しようとする、狭い心の日本国民の刺激にもなるのではないだろうか。
この感想は、一人旅行ゆえのコンプレックスではないとは思うのだが。