クリスマス、土曜の昼にツルルと電話が鳴ったので、出てみたら友人の妹でした。確か、女子大を来年卒業して就職も決まっているはず。用事、まして恋心など無いはずだがと会話をすると、
「バイト始めてん」
嫌な予感。
「卒業旅行のため?頑張ってるやん。家の近所で?」
「シンチで」
ビンゴ、鉄板。
ノルマもあるらしく、姉から私に電話をしろと言われたらしい。全く、全くうれしくない期待、男冥利。まさか友人の妹から営業電話が来るとは。
まー、お付き合いも見栄もあるし、
「仕事終えてからだから遅くなるけど、いくよ。いくよ」
意志弱すぎ。そうしたら、夕方までに
「メリークリスマス」
などと、普段は絶対に来ない友達??から、メールがくる。それも2名。・・・あぁ、この人達もシンチで。先約がある、と、つい先ほどできた何ともな用事をにおわせる。
さて、区切りもついた22:30ごろに店に行くと結構混雑している。
テーブルには申し訳程度のチキンとサンタロウソク。確かここは、シンチでは?有名グループの店では?
「ありがとう〜。クリスマスやし、シャンパンもキャンペーンしてるで〜。」
「はぁ?なんでやねん!」
と、残念がる妹へ、姉に電話をするようお願いする。
「君のおかげで僕は、妹のノルマを少しでも助けてあげたい一心の、下心も何もない、いい人から、お店ではケチで残念な、どうでもいい人になってしまった。」
と、笑えるクレームを入れる。お付き合いでシャンパンはいれないでしょ。シャンパンのことをかの地では「泡モノ」と言うらしいが、
「知ってる?ビールよりシャンパンのほうが泡が多いのは、喜びの数が多いからなんだ。」
なんて言っていたころが懐かしい。時は流れ、クリスマスに友人の妹と、安くは無いチャージを払ってお話して何が面白いのか。財布にも心にもまったく優しくない。
あぁ、私は勇気が欲しい。
「一杯頂いていい?」
「なんで?」
と言える勇気が。スタッフにはよく怒るのに。自己嫌悪だ。そこでせっかくなので別の勇気、普段お連れ様がいる時は聞けない、
「時給いくら?」
と聞いてみたら、5,500円以上。とのこと。
「え?え?」
しかも、ノルマ達成したら、まだまだ上がるし、達成しなければ、下がる。
確かに、ルックスにハンディのある方はお店にはいなさそうだ。
当たり前だが、ルックスは一種の才能である。これは間違いない。
ただしかし、コンプレックスは才能を超えるきっかけをもたらす。
友人の妹も、以前にあったのは高校生時分だったから、えらく変わった。しかし、しかしだ。
5,500円?
1日6時間労働で、30,000円以上。
20日レギュラー出勤で、60万円。21歳で。
「アフターすると交通費で2万円もらったりする。」
まじ?ここは日本か?大阪か?今時分2万円あれば海外いけるじゃないか。
私は異国文化をあまり知らないが、外国にはキャバクラやクラブと言うものは少ない気がする。そして、日本は多すぎる気がする。
日本において、女性の社会進出が低いと言うが、歓楽街での進出は異常に高すぎるのではないか。歓楽街で起業(開業)する女性は山ほどいると思う。その女性たちは起業家ではないのか?何をもって、社会進出なのだろうか。
もちろん、飲み屋さんが悪いと言うつもりは全くないし、手軽な社交の場として、文化のクッションとしてとてもよき文化だと思う。
「俺は座って5万円のクラブにふさわしい海賊王になる!」
立派なモチベーションだと思う。
しかし、こういった一例は別として、お金の流れとして、いびつさを感じる。有り余る受け皿によって、男性たちが稼ぐ一部のお金が、夜の文化に流れる。そこは、昼でならせないものなのだろうか。
男尊女卑主義者と思われそうですが、全然そんなことないです。女性は優秀です。
夜に優秀な蝶は昼でも優秀に違いないと思う。
営業努力:メール術、アポイント術、タイミング術。
会話努力:一回名前を聞いたら席についたら忘れない、リピートの時も忘れない。
回転努力:コップに5割きったらおつくりしましょう。ユーモアある切り返しもしましょう。
回避努力:言わずもがな。
おおよそぬるい営業意識、コミュニケーションスキルではできないことだ。スタッフを研修に行かせたいぐらいだ。でもやはり、歴史的にも昼の女性進出が少ないと思う(今のところ裏付けなし)。
さて、なぜこういうことにこだわるかと言うと、
2011年度こそ、
大阪で女性社員を当社に!
と思っているから。創業以来の悲願でもある、大阪での女性社員。なぜか。
プロジェクトの生産性が上がるのは間違いない
という期待、確信から。
今週のNEWSWEEKでインタビューされていた才色兼備なGoogleの女性副社長もグーグル創業者から、「優秀な女性技術者が必要だ」と聞かされたという。
ま〜たこういうこと言うと、ハローワークや、求人媒体からは「男女雇用均等法が〜」とか言われてしまう。
じゃあ、飲み屋さんのホステス募集は法律違反じゃん。
レギュラーで入っていても雇用保険とか入って無いじゃん。
いつだったか、夜の蝶が歌舞伎町で待遇改善デモ行進をしていたような。いやそれは君たち、職業選択の自由には責任と言うものがついているのですよ。結局、そういう暗黙のグレーゾーンを創ってきたのが、日本の男社会なんだろう。
飲めなくていいです。ツンデレでもいいです。
・・・いや、やっぱりそれはベストではないかも。
・給料はそんなに高くないけれど
・エンジニア
もしくは、
・明るく元気で、
・ワードエクセルができて、
・労務管理
・モチベーション管理
に興味、やる気がある方。そんなあなたが会社を成長させます。昼はそれなりだが、飲み屋では全く勇気がない代表を支えたいような女性スタッフ、お待ちしております。あと、タフな人。
そういう人を迎えられるために、もっと魅力的な会社にしたいよね。