「きれいな船ができよーじゃろー」
船渠を見に行った際に初老の社員さんが話しかけてくれた。
島めぐりの一環でふと、しまなみ海道に行ってみた。 終点の今治=造船の町。
いくつかの大きな船が組み立てられている。
「ブロックのように組み上げるんじゃ。1カ月で組み上がる。艤装に3か月、全部で半年くらいかな。」
亀老山展望公園からの眺め。3連の来島大橋。
海水を引き込む今治城。
船、城のような重厚長大産業は、ITのような軽薄短小とは違う。
地図に、歴史に残る仕事、か。
無論、どちらがいい、悪いではない。
大三島からのフェリー。
クルマと人を載せおもちゃみたいな船が静かな海を楚々と進む。
島には島の営みがある。都会から移住した人も多いようだ。
大事なのは、「誇り」であり、「自分らしさ」なんだろう。
「個々の仕事」に「誇り」を持たせることは会社の一つの使命だろう。
が、「誇り」は副次的なモノだと、帰路を運転しながら唇をかんだ。
品質か、規模か。アイディアか、仲間か etcetc
大阪に帰ってきて、休みにも関わらずビルにはこうこうと光が灯る。
そこに営みはあるが、本当の誇りはあるのだろうか。