昨夜、とあるWeb系会社の集まりに出ようと思ったが、入り口から中を見て
若さ、クリエイティブ、興奮、笑顔 …
におののいて背を向けてしまった。
今、大阪の中心部には個性と活気ある飲食店が多く開店しているようだ。若く希望をもった集団が楽しそうにしている。自分が指揮する会社を考え、そういったムードがないのはスタッフに悪い気もするが、社内で下の策を打っている。
カイシャは、スタッフのいかなる時間も無償で侵すベカラズ。
だっておかしいじゃん。そんな空気。奇妙な確かめあいじゃん。
安くてまずい料理、社内のつまんない話題につきあいたくないじゃん。腹の探り合いしたくないじゃん。
キックオフ=チームビルディングは、カイシャの経費&労働時間でするべきじゃん。
いや、当然に過去(つまり、若い時)はもちろん、
・全社一丸で!
・全員参加で!
などとやった。 こんな風に。また、こんな風に。他にもたくさんあるだろう。
独立当初は、自宅兼事務所のマンションで食事会などもしてみたが、
・各自のマナー
・それぞれの話題
に違和感 (つまり、差) を感じほどなくして止めた。まして、「家族会」などやった日には
・酔ってスタッフの奥さんに暴言、子供には切れる。
・運転を交代した前妻が、よりによってジャガーに軽微な衝突事故を起こし、スタッフが家まで運転。
その場で私が示談して修理代30万を支払う。
※私がそういう時に全く配偶者をかばえない、かばわないのは、
「現在事実」と「将来手間」を客観的に見れる長所でもあり、愛情的短所でもある。
・・・思い出したら腹が立ってきた。
「家族会ってステキじゃない!?」
なんていう形式、儀礼、先入観。
気持ちが入っていないからこういうことになる。興味本位でやってはいかん。
当時のスタッフにはこの場を借りて謝罪したい。なんとなくでスイマセン。
が、失敗を経験したからこそ
「アカン、向いてないわ」
が、わかってくる。生まれも育ちも違うのに「同質化」など零細企業にはムリな話。するべきじゃない。
小さいからこそ一丸で!というのもわかる。一つの道理だ。だが、
「皆で渡ろう赤信号」
という心理状態を創る規模が無いと、維持は難しい。カルト(狂信)的なカイシャになる。
大企業や中堅企業はその入社試験によって壮大なふるいにかけられ、同質化への適性検査が行われているから、均質、同調意識、暗黙のコンセンサス創造の徹底が、業績Upへの要となる。大阪中心部はそういった企業が多いから、そういう文化が育まれる。それはそれで、正しい。存在意義と目的が大手と零細とは違うもの。
ま、一流大学 ⇒ 一流企業の方々も50を超えてくるとたいてい(80%は)役職定年、転籍、出向、家庭不和なり、人生その後のいろいろなぼやきを聞くけど、それぞれ乗越えるのがシアワセだったりするし、実際幸せそう。だって一定の地位保全はあるからね。モノサシはおのおのでいいんだ。
カイシャを信じ、頼ることと、出口戦略、離れる準備をどれだけしておくか。若いスタッフの出身校の文化祭パンフレットに毎年広告出稿している。今年はこれとした。
他企業は一様に、夢、将来、仲間、実績だの唱えている。
うん、うん。すばらしいネ。でも当社は、こういう会社なもんで。
プロジェクトが達成できました。使えないメンバーのおかげで自分がフォローしながら。そんなメンバーって必要?
→ 合理的には必要(いないよりかまし)なんだが、感情的には不要。
同僚、部下(=いっときの仲間)って裏を返せば、出世仇つまり、敵なんだな。
嫌いな上司によって評価された上下関係、役職がついて、本当に仲間でいれる?
上記はうがっているが、集団か、個か、どちらがいい悪いではない。ワインの赤白のようなもの。どちらもワイン、どちらも酒。混ぜ物をするとどちら(酒、組織)も最低になるけどね。相互作用するカクテルみないな化学反応をどう創るか。
若く一丸で楽しむ彼らをレストランのウィンドウから見ながら思ったのが、
「彼らは危うく、頼もしい。が、敵となった場合、
営利戦争において彼らには、 ”絶対に” 勝てない。」
ということだ。 多勢に無勢。
カイシャ、グループという同族意識、目標や資本のもと、一気呵成に攻める、守る彼らの牙城を崩すことはできない。じゃあ、どうすればいいのか。 と、歩きながら考えていた。
そう、その土俵・ルールで戦わない。ということだ。
スポーツであれば、チーム戦が要求され、かつ人気のある野球、サッカー、バレーボールは選ばない。
個人戦である、テニス、ゴルフ、陸上競技、剣道。まだまだポピュラーだ。 もっとマイナー、ニッチでいい。
戦争であれば、師団より、狙撃部隊。ゲリラでもテロでもいい。
「ゴルゴ13、派遣します。」
のような会社。
ゴルゴ13が、飲み会するか?
「まーまー課長!」と、お酌するか?
部長の顔色をうかがいながらカラオケの選曲をするか?
するわけない。そんな宴は酔えない。 過日、BAR友達の社長に、
「ケンチャンはPはできるけど、DCAは圧倒的にダメだよね。だからそこの人材がいるよ。」
と言われ、「おぉそうか」と納得した。ITアウトソーシングにおいて、DCAに関しては当社は優秀なスタッフぞろいだ。
類は友を呼ぶ。
というか、当社に均一、同調、同質性は全くない。そう、それでいいんだ。
あるのはプロジェクト遂行・達成能力。これが無いのはヤバい会社だ。
実際、自社で請けてこけた、こかしたプロジェクトは無い。ゼロ。
これは我ながらすごいと思う。
なぜなら、「こけそうなのはやらない。請けない。」 から。
そう、
「私は、ゴルゴ13たちへの依頼網。トレーニング場所、機会の提供者」
と割り切ればいい。
納得して金曜日の夜は終わった。 次の広告用Webページのアイディアがちょっと浮かんだ。