ナレッジワーカーとはなに?そんなえらい?本を読んでも、PCの前にいても、結果としてなんのこっちゃ、な日は多くあり、
書を捨てよ、町に出よう
外の空気を吸うべ吸うべ
と、友人が働く大阪中央市場にマグロのセリ+市場見学をしてきました。
「オフィス、なんてしゃれたもんちゃいますよ。一度見に来てください」
彼らは朝の2時半くらいから昼の10時、12時までが定時時間です。午前3時30分に家を出、マグロのセリ前につくことができました。
「おはようさん」
と店に行ったらいない。
「セリ場におると思うよ」
と行ってみたら、
白い(冷凍)マグロ。後述の本によると、高い冷凍技術あってこそらしい。
畜養のクロマグロ。やはりどこか迫力がある。キハダとは顔つきも違う。手前のもので47kg 向こうで52kg 「kgあたり3,000円程度です」と言っていたような。今年の正月に、3,000万円でマグロ が落とされていたよね、ときくと、「あれは異常ですよ」。
「畜養と養殖の違い」については、「蓄養 マグロ」で検索を。
セリは4:15 に始まるので、それまでに仲買人さんたちは品定めをする。
バリからやってきたクロマグロ。世界中から”ダイヤモンド”が集まる。
セリが始まった。
威勢のいい掛け声で、みなが小さい黒板にチョークでkg当たりの値段の数字を書く。立っているのは卸会社の方だ。大水、うおいち の2社さんらしい。
・値段が同じが2人だと、マグロを半分に割る
・値段が3人以上だと、ジャンケン
というアナログな世界だ。もっと怒号が飛び交う現場かなと思ったら、意外とシュクシュク進んでいく。
セリおとされたマグロちゃんたちは、ひっかけられて、乗せられて、それぞれの店に運ばれる。日通さんにもこういう仕事があるらしい。
買われた冷凍マグロは電動ノコギリで
小さくなっていく。
他のセリ場に行くと、ブリかハマチが転がっている。
スーパーでいくら神経質に見て買っても、あんまり意味はなさそうだ。
グジやキスは梱包されていた。
1区画50平米弱 くらいの店が軒を連ねる。
「私も買えますか?」
と聞いたら「今はそんなん断ってないよ。商売続けんとあかんからね」と。
彼は、「佃 宗一郎」君で、アメフトプレイヤーです。
日本一の立命館大学のエースであり、今もアサヒ飲料でプロとして活躍している。睡眠時間も少ないのに、トレーニングをし、試合に出て、いつもプロモーションを考えている。「名実ともに日本一」の称号を持つ人間です。
友人の店は、「高級マグロ卸 のり元」、4代目の今井君です。
私より少し若い。気安く話せる、仲のいい飲み友達だ。レオンを愛読するおしゃれさんで、Meetsにも登場経験がある。結婚相手を、シンシに募集中だ。どんなに飲んでも、次の日の朝早くから仕事に行き、この10年で連休はほぼなし。年末年始はそれこそ稼ぎ時で、休めるわけなどなく。家業への使命感というか、どこかマジメな姿に頭が下がる。
ホワイトカラーだ、ブルーカラーだ、というのは関係ない。
キッタハッタで時間は進んでいく。
活気もあり、一つ間違えれば、大けがもする職場だ。
こにには商売の原点がありました。
いろいろな働き場所はある。当然、セオリーはある。前述の佃君はセリの前に
「おとせなかったらどうするの?」
と聞いたら
「東京で買うからいいんです。
東京はいいものだったら高くても買う。だからものと人が集まる。
大阪はよくても高かったらシビアだから。」
と言っていました。マネジメントがなんだ。自己投資がなんだ。ITがなんだ。それでも経済は、商売は進む。2年ほど前に社内で、「農業体験を会社でしてはどうか」と、MGで話し合っていました。結局途中で実現をやめました。
最近読んだこの本「負けない会社の作り方」にも、
「農業には、マネジメントとマーケティングが詰まっている。」
と書いてあったので思い出しました。
他にも、
大間のマグロはもっとがんばらなあかん、というクダリなど面白かったです。
マグロ船仕事術―日本一のマグロ船から学んだ!マネジメントとリーダーーシップの極意
の、「他人はマグロと思え」などという着想も。
我々は泳ぎつづけないと死んでしまうマグロじゃないです。視野が狭く、頭が固くなり、酸素不足になる前に、息つぎ気分転換を入れながら、違った産業を見て、自分に活かすヒントにすることができればいいと思います。
ps