人間は帰属の生物だと再確認した。
今回、いわゆる「ソロ」、一人歩きで行った。
しかし、前回の縦走の時とは違う「しんどさ」を感じた。
前日夜9時に新穂高温泉について、登山者用駐車場で車中泊。
朝5:10から登りだして、昼の12:20にやっと槍ヶ岳山荘についた。
シーズンなのでずっと独歩、ということはない。
が、会話する相手はいない。アイサツは欠かさない。
音楽でも聞こうかと思うが、たまの静寂もいいかと、しまっておく。
「千丈乗越」を越えると、もうやはりキツイ。
途中でカップルが座っていた。
千丈分岐を過ぎたあたり。
「キツイですよね〜」
という、彼氏の私への声掛けに、つい、
「ほんまですわ。なんだかアホラシなってきます。」
と答えた。なぜその時
「アホらしい」
と言ったのか。だったら来なくていいのに。
山を愛するカップルに、余計なことを言ってしまった。
千丈乗越 からあと少し。穂先も見える。
テントで寝ころんで思案していた。
「(一人でこんなとこまで来て、しんどい思いして、分かち合うこともなく、)
アホらしくなってくる。」
ということなんだろう。山荘での、他人との会話もどこかほっとする。
二人のわずらわしさより、一人の気楽さ。
を掲げているが、やっぱり弱いもんだな。
努力とは孤独。この弱さに克てる人間が大成するんだろうな。
などと思いながら、次の日に下山していた。
槍ヶ岳山荘のテント場。そこで寝るんだ。12時には完売していた。