探検隊員を求む。至難の旅。わずかな報酬。極寒。
暗黒の長い日々。絶えざる危険。生還の保証なし。
成功の暁には名誉と賞賛を得る。
これは1914年に、イギリスの探検家、「アーネスト・シャクルトン」が南極探検を行う際に出した人材募集広告の記事と言われています。
シャクルトンの冒険の結果は、船は沈没し、隊は20か月間遭難することになりました。しかし、全員が生還したのです。この実話からは
・シャクルトンのリーダシップ
・もともと、生還する技術、体力、精神力のある隊員を選んでいた
ことが言えるでしょう。
「プロジェクトの成否は、メンバー選び(水に沈む種 ・・・つまり芽が出る種)で8割決まっている」
とも言われます。
さて、現在行っている当社の新入社員研修が
「精神論、根性論」
のみだとしたら気持ち悪い、と我ながら思っています。
旧日本軍のように、精神論だけで勝利生還などはできるわけがない。
ただ、
「ワークスキルは、情緒スキル」
の部分も多分にあります。
「なぜ、それが必要なのか」
がしっかりわかれば、習得のきっかけになることでしょう。
休み中に2つの本を読んでいて、非常にタイミングがよかったです。
お客様との宴席で、その方が部下の方に
「「失敗の本質」を読んだらいいよ。」
とおっしゃっていました。
パクリ、エッセンス版を読みました。非常に示唆に富む本です。
「超」入門 失敗の本質 日本軍と現代日本に共通する23の組織的ジレンマ
当社の新入社員研修の基本設計は私が行っています。
そこには私の主観で、大事にすべき仕事術や、知識が入っています。
当然、出典は小森先生や本から教えていただいた確かなものです。しかし、
組織をつくり上げる際に、権威として戦略を虎の巻化する習慣・文化を持つのであればもともと学ぶべき点が多かった組織内の過去の成功者の事例を、劣化・矮小化させて伝承することになります。
p.135
当社においては、質・量ともに課題が多いです。
・2007年9月に更改した、HPを更新できていない
→ 現行サービスとの不一致
・新たなビジネスが生まれていない
→ 人材派遣の次の一手
・規模の拡大ができていない
→ 社員数、稼働数の圧倒的な増加がない
という事実があります。ただ、質ははるかに上がりました。
・顧客の質 (多重請けのほぼ排除)
・業務の質 (アウトソーシングという完成責任)
です。
しかし今後さらに、勝利の指標、本質を見極めないと生き残ることはできないでしょう。
新入社員研修にあたっては、
「指標の明確化」
を行い、共有して続けていきたいと思います。
精神論、情緒論は危険すぎるし、大の苦手です。
あと、
ゴードン・ベスーン
というコンチネンタル航空を再生したCEOがこの2冊に共通して登場しました。
彼がやったことは、航空会社にとっての正しい勝利の条件をシンプルに2つ定義することです。
・機内の清潔さ
・便の到着時刻を正確にする
です。
それまでの間違ったコンチネンタル航空の勝利の指標は、
・コスト削減
でした。正しい勝利の条件、指標の設定ができなければ
「混乱と無力感」
を現場に招きます。
当社の「正しい勝利の条件」はなんであるのか、明確化が必要です。
もう1冊が、
です。
why:信条
how:信条を理解するための行動
what:その行動の結果
であると書かれていました。
==
WHYタイプは、大半の目には見えないものを見ようとし、未来をみすえようとする。
ところがHOWタイプは、大半の人の目に見えるものをもっとはっきり見ようとするし、構造や組織をつくりあげ、きちんとしたプロセスを経て目標を達成するのが得意だ。
==
p.165
私が思うにこの会社(レップワン)には大義、信条がまだまだ足りない。と感じています。
how
はそれなりかもしれません。
==
企業は文化である。そして、一連の価値観や信条に共鳴する人々の集合体でもある。
==
p.106
文化は根幹的に大事です。
想いを同じくできない人間は当社にはいないことでしょう。
根本的な文化(日本人らしく、買い手のことを情緒的に考える)
と
戦略(目的が何か?目標達成につながる勝利は何であるか選ぶこと、捨てること)
の明確化が将来につながると思います。
さて今回、アメリカの本、日本の本を読みました。
アメリカ人と日本人は全く違います。
そして、私は日本人です。当社は日本の会社です。
日本人的文化の良いところ悪いところを自認し、アメリカ式考察やプロセスを掛け合わせる。
アメリカ人:Always Fine
と
日本人:Always so-so
の違いです。
アメリカ人の、Optimism 、Heroism の塊というかなんというか、
サウスウェスト航空の下のような雰囲気が、これから先の日本のサービス提供者と顧客側に息づくとは思えません。
以前、IBMの汎用機設計思想について書いていました。
本質的な目標の選別、設定
を意識していきたいです。